城の原点はラウンジ方式

 ラウンジでの2年間の仕事は、この
城を始める発想のもとになっている。
今の城で、皆違う教科をやりながら、
私が一人一人の前におつきしながらまわってゆく、
この方式は、ラウンジ方式と呼ぶことができよう。
 アットホームなピアノラウンジで、
1人カウンター内に入り、5つもあるボックス席に
女性がおつきした時、カウンターは全て私が
応対することになることがしょっちゅうであった。
だいたい、音楽を聴きにくる、上品なお客様が
多かったが、もちろんお1人お1人の話題は違ったし、
それぞれに合わせてお話をすることを学んだ。
性格、興味の方向、などなどを見ながら合わせてゆく。
まんべんなく皆に気を配ることも大事だ。
(よそはどうも、地域性か、そういうのが
 欠けているところが多い。スタッフも一緒に
 酔っ払ってしまうのだ。ま、それも好きな方には一興なわけでしょう)

 そして、はたと気づいた。そうだ、複数の中3生
をお客様として机に余裕を持って座って頂き、それぞれの
進度に応じて、それぞれやらねばならない教科を
やってもらい、性格や興味の方向にも留意しながら、
私がそれぞれ前におつきしてお教えするような塾をやってみたら
どうだろう、と。
 1人1人の性格や興味の方向に応じて、
こちらで話をし、そしてあちらで話をする、
というように切り替えることには慣れていたから、
後は今までやってきた家庭教師で培った力を信じて、
こちらでクラシックの話、あちらで気功の話、をするように、
各教科の勉強を教えればいいのだ、と思った。

 まさに、1人1人に合わせ、1人1人別々の
進度でやっていく、そしてその「お客様」の前に
ついてお教えする、ラウンジ方式の誕生である。
 私は、独立独歩でやってきたため、よそがどんな
方式でやっているかは知らない。だけど、1人1人の
お客様(お子様)を大切にし、1人1人の話題(進度)に応じた
会話(勉強)をする、このラウンジ方式、なかなかいけるのだ。
ここ数年は、それプラス、最初に見たときの潜在能力と、
受験までの時間を考え、ここまでは伸びるだろうと提示し、
進路や将来も含めて、それまでの先入観なしで、しかし、
私の掴み取れた本人の傾向を率直に述べて、引っ張るという
要素が付け加わっている。時にはご家族も引っ張る(引っ張る
つもりはないが、自然と結果的にそうなる)。
 今年、公立第二位校を目指した2人、それからこれから
お引き受けすることになる公立第三位校を目指す人、
浪人生などは、その例である。ここへ来て、将来への希望、
夢の実現、大学への挑戦権、をつかみつつある。

 そしてもうひとつ。城には安らぎ、癒しの場、という
大事な要素がある。学校でも家庭でも気が張り詰めている子は、
ここで休んで行く。元気をもらってゆく。生活の一部となっているのだ。
それもまた、ラウンジやクラブと同じ役割であって、私などは
仕事をする側であったが、ピアノラウンジに入って、ママの音楽に
とても感動し安らぎを覚えていた1人であった。「Fry me to the moon」
や「虹に架ける橋」そしてさらには「八千代の歌」など、弾き語りは
本当に印象に残るものが多かった。城の役割も、全く同じなのであって、
これもラウンジ方式といえよう。
(この城での癒しについて過去の日記2005年10月21日でも言及しています。)

 さらに、うちのお店では、そういう音楽好きのお客様同士、
いや、そうでなくても、お客様同士で会話が盛り上がり、
私もそこへ参加している、という男ばかりで話が盛り上がるという
非常に珍しいことが多かった(苦笑)。
(だいたいほかの店などはそういうことはタブーになっている場合が
多い。女性が必ずおつきしないといけない、相手しないと怒られるとか
云々らしいが、男同士喋ってもいいでしょう(笑))
 この城でも、これと同じように、異学年同士が、さらには中学生と
高校生が、会話をし、仲良くなって、アットホームな雰囲気を醸し
出している。

 やはり、どの特徴をとっても、
うちの城の原点はラウンジ方式、なのである。




最終更新日 2006年02月11日 03時30分05秒


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